ユーマちゃんのブログ

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シンガポール 政府によるコロナウイルスへの対応・大学に対して

現在、私はシンガポール南洋理工大学(NTU)に留学しています。先月からコロナウイルスシンガポール国内における広がりに伴い、政府によって様々な対応が取られました。その推移をまとめておきます。

  

大学に対するシンガポール政府の指示  [2/12まで]

 

主にシンガポールの3大学(シンガポール国立大学NUS・南洋理工大学NTU・シンガポールマネジメント大学SMU)に取られた対応について書きます。他大に関しては確認できていませんが、私が確認できる限りこれらの大学に関しては同じ対応が取られているようです。

 

1.警戒レベル-黄

[1/27午後メールにて]

 ・各大学の寮のうち、1つの寮を隔離所Government Quarantine Facilityに指定。NTUの場合、24個ある寮のうちHall 1が隔離所に指定された。もともとその寮に住んでいる学生は他の寮に再振り分けされ、1/27 PM3:00までに移動を完了させるよう指示が出る。なお、メールの時点ですでにHall 1の学生には指示が出ていたよう。

 

・隔離対象は「2/14以降に中国本土からシンガポールに帰国した学生」。シンガポール現地学生は自宅滞在、留学生はHall 1に移動を指示される。学生は3食が提供され、毎日2回体温を測り報告することを14日間義務付けられる。対象になった学生はオンラインで授業を受けられるよう全教員はサポートする、とのこと。もともと授業のレコーディングシステムはあったが、それが広く徹底された。       

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運ばれる隔離された学生向けの弁当 シンガポール国立大学において

すべての公的な出張や留学はキャンセル・延期に。予定されていた中国本土への交換留学は中止になり、来期以降への交換留学の延期に加え、今期のNTUでの授業履修が指示された。この時点で、履修登録期間は終わっていたので、対象者は2月頭に呼ばれ、個別に指示を受けた模様。

 ・全学生は中国本土に14日以内の中国滞在の有無と健康状態を専用サイトから報告するよう指示が出る。

 

 

【備考】

ここでは区別せずに「隔離」と書いているが、隔離には本来二つの段階があり、1. Quarantineと 2. Leave of Absence (LOA)がある。ここで対象になった学生は2つ目のLOAとなる。コロナウイルスの感染が確認された場合、Quarantineになる。Quarantineになった場合、補助金100SGD/日(約8000円)の支給、食事の提供、無償の治療、雇用主に対する補償などが用意されている。一方で、脱走した場合は10,000SGD(約80万円)以下の罰金または6ヶ月以下の懲役、もしくはその両方が適応される。隔離命令に背いて働いた4人の労働者は就労ビザを取り消されたとのこと。

 

この公的な指示に加えて大幅な寮の入れ替えが行われたため、私の部屋の2つ隣に友人がたまたま引っ越してきた。私の元ルームメイトは精華大学への交換留学を控え、2月の頭に向かう予定だったが交換留学自体がキャンセルに。代わりに後期から別の大学(未定)へ交換留学することになったが、これにより不幸にも卒業が半年伸びることになった。

 

 

 

 

 

 2. 警戒レベル-オレンジ

 

[2/9 午後メールにて]

2/9をもってシンガポール政府は警戒レベルを示すDorscon*を4段階(Green, Yellow, Orange, Red)のYellowからOrangeに引き上げることを決定。それに伴い、追加の措置をとることを表明。

 

全学生は一日に2回体温を測り、専用フォームに入力するよう指示された

・緊急連絡先用の新設フォームに諸々情報を書くこと。

・中国への渡航の有無を入力しない場合や虚偽の情報を入力した場合、最悪、今期の出席を停止する旨。改めて早急に情報を入力するよう求められる。

 

[2/11 午前メールにて]

・2/12より全学生は授業の出席に関して、教室前に貼られたQRコードから出席の記録をオンラインで行うことが義務付けられる。

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教室前に貼られたQRコード

 

体温測定をあらゆる施設前で実施。体温をその場で測り、平熱であれば服にシールが貼られる。このシールと体温計の数値を撮影した写メが大型の施設に入る際は必要になった。なお、大学の図書館などは元来、大学外の人も入場できたが、一切禁止に。 

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体温を撮影。この写真とシールが施設入場時、確認される

・履修者が50人以上の授業は全てオンライン化。

・学生主導のイベントは自粛。行う場合はQRコードを取得し、参加者に体温チェックさせることを強く推奨。

  

【備考】

2/12は実際に大学構内ではせっせとQRコードを貼る職員の姿が見受けられた。また、大学構内での様々なイベントが中止になった。一方で部活などは普段通り行われていたようだった。